看護者に求められる死のみとり 2
ひと昔前の病院では、医学を駆使しても治る見込みのない患者は規制を解き、残された日々を自由気ままに過ごすよう家庭に帰すことが多く見られました。
したがって患者は、医師に厳しく制限されなくなり「何を食べても良い」などと言われたりすると、医師から見離された、もうだめだと思ったものです。
そして家族に見守られながら死を迎えたのです。
ですから、病院にいる人々は治療可能な人であり、そこで働く看護者は社会復帰可能な人々の看護でした。
ときに医療処置の必要な末期患者がいたとしても、そのような患者には必ず家族が付き添っており、看護者は医療処置の必要なときにのみ訪室したのであって、患者の死に対しての精神的な悩みに触れることは仕事の範囲外であったのです。
しかし、核家族化が進み、女性が職につく現代では、ずいぶん前から完全看護と称して付き添いをつけずに、医療従事者で患者をみていこうとする傾向にあります。
このことは、社会の変化による要請とともに、また高度な医療を駆使するについては、素人の家族よりも知識のある看護者の観察を必要ともしたのです。
このような社会の変化、医学の進歩によって、家族が担ってきた「死のみとり」を看護者が引き受ける時代ともなったのです。
こうした時代の要請に応えるべく、看護者は末期患者の看護に熱心な関心を示さざるを得なくなってきたのです。